第4章

アメリカに於ける高齢者の住居環境の選択肢

はじめに

 新しい世代の高齢者は、健康で活動的で創造性に富み、教育のある、いわゆるエイジ・ウエーブを構成する人達だ。当論文では、このような新しい世代の高齢者は、加齢が進んでも、高い生活の質の維持を望んでいることや、環境の果たす役割が大きいことを指摘する。

 こうしたことを踏まえ、医療施設は加齢に適した場ではないという前提に立って、アメリカに於ける高齢者の住居オプションを検討する。高齢社会の住居対策の答えとして、脱施設化又はノーマライゼイションという明確な方向付けがなされようとしている。当論文では、次に、independent living (IL; 自立型リビング)、assisted living (AL; 介 助付きリビング)、continuous care retirement community (CCRC; 継続ケア退職者コミュニティ)、lifetime care in one location(定住型生涯ケア)といった、アメリカの高齢者用住居オプションの最近の傾向を紹介する。この論文が、日本の高齢者の住居問題を考える上 で、何らかの参考になればと願っている。

今日のアメリカの高齢者住居

 前記の種々のタイプの居住スタイルは、居住者の視点で注意深くデザイン、運営されていて、新しい高齢者層の潜在的な創造 力を伸ばすのに一役買っている。この点だけからでも、居住者の生活の質の向上に役立っていると言える。更に、加齢の新しい環境を考慮に入れ、居住スタイル に応じた様々なオプションを用意している。これは、大切なことだ。オプションを与えられ、自己の生活様式を選べる人達は、そうでない人達よりも健康で、前 向きな考えを持ち、生活に対する満足度も大きいことが、実験で証明されている(1)。今日の高齢者は、余生を送る上で、これまで親しんできたように、ます ます多様な選択肢を求めている。すかし、これらの独創的な住居オプションの中に、従来のナーシング・ホームのような施設には全く入ていないことに注意して 欲しい。そうした施設は、住居とは呼べないからである。ただの医療施設と見なされているのだ。だが他に何も頼るものがなければ、ナーシング・ホームでも役 立たせることが出来る。例えば、ナーシング・ホームを継続ケア付き退職者コミュニティの一ユニットと捉えるのであるが、これについては後で述べよう。

 アメリカに於いては、高齢者の求めに応じて様々な住居オプションが、生まれつつあるが、これがナーシング・ホームへの入 居者が減り、ホーム数が減少している理由の一つになっている。逆に、こうした施設を利用することになると従来思われてきた高齢者層の方は、増加しているの である。社会福祉政策がアメリカとかなり異なるヨーロッパでは、この点で最も進んでいる。実際、スカンディナビア諸国の多くでは、ナーシング・ホームの建 設は法律で禁じられている。デンマークでは、ナーシング・ホームを新たに建設することは、1990年くらいから公的に見合わせている。「将来、施設とは全 く異なる自立型住宅が建てられることになっている。」これは以下に挙げるような、デンマークの進んだ社会福祉政策とうまく咬み合っている。すなわち、自立 型住宅に住む高齢者へのサービス提供、ホームのアクセシビリティの確立、高齢者への継続ケア提供、有意義な活動に高齢者が参加出来る体制の維持、高齢者が 高い期待を維持出来るように配慮、高齢者自身の判断・選択を最優先といった政策である。スウェーデンでも、ナーシング・ホームのベッド数を毎年約900床 ずつ減少させている。スウェーデンでは、介護の必要な高齢者は、自宅か、ケア・ハウスで暮らしている。まだ残っているナーシング・ホームは、重度の機能障 害者用の亜急性の施設と見なされていて、このため、一般の人々が余生を送る場としてはふさわしくないと考えられている。イギリスでは、高齢者のほとんどは 自宅で介護を受けていて、その長期介護は3つに区分される。一番目は、隣人による手助け。二番目は、地区提供の介護サービス、三番目は、専門家による介 護。普通、施設入居は最後の手段である(2)。このように専門施設を離れる動きを、脱施設化、あるいは、ノーマライゼーションと呼ぶことがある。

  こうした傾向は、アメリカでも見られる。例えば、『US News and World Report』の2001.5.21号には、「加齢をより素晴らしく:ナーシング・ホームに代わるもの」という題で、75歳以上の高齢者がアメリカ総人口 に占める割合が27%に増えた時代に、ナーシング・ホーム入居者は約10%減少したことについて特集している(3)。アメリカではこれまで、身体機能の低 下した高齢者は、ホームに入居させるのが一般的だった。1989年度のアメリカ政府報告書によると、アメリカは、先進国の中でナーシング・ホームの入居率 が最も高い(4)。しかしその1989年でさえ、オレゴン州のナーシング・ホームの入居者のうち、何と93%が、入居の必要なしと判定されていた(5)。 つまり、ナーシング・ホームは住居問題の解決策として使われているだけで、ヘルス・ケアの役割は果たしていないのである。住居問題の解決策としてあれば、 このような医療型施設が、住宅にふさわしいとは思えない。第一、入居費がかさむし、第二に、組織化された無味乾燥な雰囲気は、高齢者に優しい癒しの場を作 るには不適当である。ゆえに、人々が養護施設を離れて、長期介護の整った住環境に移ることを求めだしたのも、容易に理解できる。

 こうした老人ホームからの離脱現象と対称的に、日本の社会福祉担当者 達は、ますます高齢化の進む社会で今後の需要に応じるためには、養護老人ホームの増設やベッド数の増加が不可欠と考えているようである(25)。もちろ ん、日本にも脱施設化の動きが全くないわけではない。しかし、欧米ほど進んでいないのが実状である。欧米に於ける高齢者の新しい住居オプションは、日本の 高齢者の住環境改善にも、何らかのヒントになるかもしれない。日本の社会福祉政策は、アメリカとヨーロッパの中間にあるようだ。国民健康保険に関していえ ば、日本はヨーロッパにより近い。老齢年金制度に関しては、アメリカにさえ遅れをとっているかもしれない。高齢労働者の就職については、日本はヨーロッパ やアメリカよりも進んでいる。しかし、高齢者の長期ケア施設の脱施設化に関しては、アメリカの方が、日本より先にヨーロッパ型に向かいつつある。

 老人ホームやその入居者の減少について、話を戻そう。もはや老人ホームにはいないと なると、高齢者はいったいどこに住んでいるのか。そんな疑問が、当然起こって来るだろう。答えは、そう、ジーン・コーエンが言うように、革新的な居住スタ イルのオプションを活用し出したのである。

アメリカに於ける退職者の暮らし

  高齢者の居住スタイルのオプションを更に詳しく論じる前に、アメリカの二組の夫婦について見てみよう。どちらも80代で、平均的な暮らし向きの夫婦であ る。一組は、退職後の余生を家庭で、もう一組は退職者用コミュニティで送ることを選んだ。ヨーロッパや日本の平均的な夫婦とは、情況が違うかもしれない。 しかし、彼らの話は、アメリカでなぜこうした選択に人気が出だしたかを理解する上で、役に立つかもしれない。

家庭で加齢 :ルイとトゥリーヴァの場合

  ルイはマサチューセッツ州のウェルズリーで、トゥリーヴァはオハイオで育った。二人がどのように出合ったのかは知らないが、とにかく二人はボストン西部の ホリストンという小さな町に移り、フィスク雑貨店を引き継いだ。ニューイングランドのこの小さな町の中心というか、町民のたまり場のような店だった。ウイ ンドウには、町の人の誕生日を張り出した。町民用の掲示板も設けた。二人はまた、誰かの医療費支援とか臓器移植のドナー探し等、町内で行われる全ての支援 活動の中心にたった。流行りのものをいろいろ揃えて、子供達を喜ばせた。店の経営者はルイだが、トゥリーヴァもよく手伝った。そろそろ引退する年になる と、息子のジョンとエディに店の経営を少しずつ引き継いでいった。エディはそのうち店を離れたので、兄のジョンが後に残り、現在に至るまで店を切り盛りし ている。しかし、ルイとトゥリーヴァは依然として店の顔で、ルイが「退職」して15年経つ今も、折にふれ店で働いているのが見られる。二人とも80代に なったが、子育てをしてきた家に、今でもずっと住み続けている。二人は、長いこと庭仕事にも力を入れてきた。ルイは野菜、トゥリーヴァは草花を育てた。サ イズこそ縮小したものの、二人は今も土いじりを楽しむ。末息子だけ遠くシアトルに住むが、息子一人と娘一人はそれぞれホリストンで幸せな家庭を築いている し、他の二人の子供もニュー・イングランド内にいる。町には大勢顔見知りがいるし、高齢になっても二人は依然、地域の中心人物であるようだ。

  彼らは徐々に年を重ねていく。この先どういう計画を立てているのか、筆者には分からない。現在の場所にあとどのくらい居る予定なのか。assisted living施設に移ることについて、夫婦で話し合ったことがあるのか。恐らく家族や友人に囲まれて、このまま自宅に住み続けることになるのではないだろ うか。二人は今でも互いに助け合っている。数ヶ月前に筆者が会った時、彼らはとても元気そうに見えた。実際、5年前に訪ねた時と、それほど変わっていな かった。

退職者用コミュニティで余生を送る : ブルースとウィルマの場合

  ブルースとウィルマはニューヨーク州のロチェスターで育ち、大学卒業後に結婚し、生まれ故郷の町で家庭を築いた。工学部を出たブルースは、ロチェスターの 有力企業に就職した。ウィルマは四人の子供を育てながら、地元の病院や画廊でヴォランティアとして働いた。学校、職場、地域社会を通じて、二人には友人も たくさん出来た。どちらも若くして父親を亡くしたが、母親の方はそれぞれロチェスターで80代まで自立を保っていた。

  四人の子供が成長して大学に行ってしまうと、これまで子育てしてきた家が急にがらんとなり、淋しく感じられだした。おまけに、かなりの友人達が、町を出て いった。子供達はそのうち独立して、思い思いに散っていった。下の娘だけ、町に戻ってきたが、他の三人は北東部にとどまったとはいえ、それぞれ他の土地で 居を構えた。二人だけになった夫妻は、がらんとなった家を売って、愛犬と共に四季を通じて温暖なフロリダに移ることにした。

  まず彼らは、フロリダ南西部の、ガルフ・コースト沿いの新興リゾート地区で、こぢんまりしたマンションを購入した。住んでみてこの土地が非常に気に入った ので、彼らの小型エンジン・ボートをつなげそうな港が付いたマンションを見つけ、前より大きい区画を買った。ここで10年間過ごした彼らはまだ比較的元気 で、ゴルフやテニスを楽しみ、水泳もこなした。しかし、そろそろ、ボートを諦めてでも、もっと観光客の少ないところに移りたくなった。同じガルフ・コース ト内だが北方に少し離れたところに、55歳以上の健康な人用の、門で囲われたコミュニティを見つけ、彼らは、そこの平屋住宅を買った。散歩道や池、桟橋 等、入念に美しくしつらえた環境に、一戸建てやアパートが並ぶコミュニティである。団地内にはプールが点在し、コミュニティ活動のためのクラブ・ハウスも ある。二人とも気に入って、ここで楽しく暮らし出してもう10年余りになる。しかし、今やどちらも80代。介護なしで暮らせるのもあと数年ではという思い が、よぎり始めた。ブルースは、車を大破する事故を起こして、運転を断念した。それ以来、外に出るのが不便になった。身体機能も段々低下してきたが、そん なブルースを支える体力が自分にもなくなってきたことが、ウィルマは気がかりだ。

  数ヶ月前、筆者は二人に会った。近くに建設中の継続ケアコミュニティをいくつか、物色し始めたところだった。好みに合うコミュニティが見つかれば、名簿に 登録して、オープンするまで待つことになるだろう。そこに移った後は、またいずれ越さなくてはと心配する必要もなく、心おきなく日々の生活を楽しめるはず だ。independent livingに加えて、同一団地内で、assisted livingや、専門の介護士の世話も受けられることになっている。将来、健康やケアの問題が出てきても、これで安心だ。

所見

  この2組の夫婦の退職後の選択には、参考になる点がいくつかある。ルイとトゥリーヴァは、そのまま自宅で余生を送っている。慣れ親しんだ我が家、家族の 絆、地域社会の暖かい交流が、二人の財産だ。今まで通り自立した生活を続けながら、地域社会の諸事に積極的に関わっていくことが出来る。生活上の大切なこ とは、自分達の判断で全て決めていける。

  一方、ブルースとウィルマは、自分達が生まれ育ち、やがて子供をも育ててきた土地を離れることに、何の抵抗もないように見える。生活事情の変化に応じて住 居を変わるのは、彼らには当然の選択なのだ。子育ての間は大きい家に、子供達が巣立った後は、それより小さめのマンションや、郊外の一戸建て住宅に。健康 面を考慮してより温暖な土地へ、そして最後には、継続ケアコミュニティ内の、更に小さいassisted livingのアパートに移るという具合に。家庭で加齢する(これはaging in placeと呼ばれることもある)ことが理想だとすれば、ブルースとウィルマにとっての家庭は、「心の住みか」だということが出来る。彼らにとり、それは 一戸の家に限定されるものではない。人生の選択に関して言えば、自立と自律がキーワードなのだ。

高齢者の居住スタイルのオプション

 典型的な中流家庭の夫婦2組が選んだ余生の送り方を紹介したが、これを頭に入れながら、その中で触れた高齢者の居住スタイルのオプションを幾つか見ていくことにしよう。すなわち、 independent living (自立型リビング)、 assisted living (介助付きリビング)、 continuous care communities (継続ケア・コミュニティ)、 lifetime care in one location (定住型生涯ケア)である。

Independent Living (IL)

  大部分の人は、家庭で、つまり自立して余生を送るのが最も理想的だと考えていることが、複数のアンケート調査の結果、明らかになった。しかし、家庭の定義 は、そう簡単ではない。家庭の代表的な特質は何だろうか。家庭は単なる家屋ではない。時と共に、家庭の意味も変わる。慣れ親しんだ場、責任をとる場、自律 の場、生活上の重要な選択を行う場、困難に挑み、思い切って試してみる場、限りなく成長していく場。建築学的にどうこう言うより、「在宅」の心理状態を考 えた方が、家庭をより的確に定義できるかもしれない。家庭は、個人の福祉の中心である。誰でも、家にいるときが一番くつろげる(6)。経済は、大部分の人 にとって重要な関心事であろう。高齢者の住む家屋は支払い済みの場合が多いので、住居費はその分、楽だ。しかし、高齢になっても自宅に居続ける、すなわち AiP(同一箇所で加齢)を実現するためには、その家が居住者の身体的なニーズの変化に応じられるものでなくてはならない。自宅で加齢するには、建築上、 内装上のサポートが中心的役割を果たす。この種のデザインは、一般的に「バリアフリー」と呼ばれている。最近「ユニバーサル・デザイン」という更に進んだ 考えが出てきた。身障者のために障壁を取り除くことが必要だという考えは、今では、年齢、心身能力、可動性の別に関わらず、万人がアクセスできることが必 要という考えに取って代わろうとしている。もちろん、建築上、内装上のデザインが、自宅で余生を送る最大の決め手となるのであるが、様々なケアや健康、社 会面の支援サービスも欠かせない。何より大切なのが、配偶者や家族、友人、隣人達から家庭の内外で受ける手助けである。足腰が弱っていく時期に孤立してい ると、老いがいっそう早まることになりかねない。デイ・サービス・センター、公共図書館、キリスト教及びユダヤ教青年協会、教会等が、家庭で暮らす高齢者 に、社会と接し、創造的な活き活きした生活を送るための機会や場所を提供している。移動手段の確保に対する配慮も必要だ。

  ADL及びIADLの介助が必要な在宅高齢者にとり、家族から受けるケアを補助するものとして、ホーム・ヘルパーの存在は有り難い。ADL及びIADL は個人にとり日常生活の大切な「儀式」、まさに「人を家庭と呼ぶ場所に結びつける絆」(7)である。こうしたことに介助の必要な人々が家庭との絆を断たれ ないように、きめ細やかなケアが必要になってくる。例えば、給食の宅配サービスのようなホーム・サービス・プログラムが不可欠であることが証明されてい る。

  生涯、自立して生活するためには、どこかの時点でヘルス・ケアを取り入れることになる。病院やナーシング・ホームのアウトリーチ・プログラムも、その一例 だ。こうしたニーズに応じるために、専門の会社も設立されている。AiPを確保するために、高齢者の介護に当たる家族が休息できるように、ショート・ステ イの休息介護施設を設けることも、このプログラムの一部である。どの時点でAiPが難しくなるのか。専門家の介護は家庭でどのくらい受けられるのか。 AiPにおけるホスピスの役割は何か。アメリカでは、こうした問いに対する答えはまだ明確に出ていないが、ヨーロッパでは次第に明らかになっている。IL については、後にlifetime care in one location(定住型生涯ケア)について述べる際に、再度触れたいと思う。

健康な高齢者のための退職者コミュニティ

  加齢化の夫婦は子供が巣立った後、小さめの家や、マンション、退職者コミュニティ内のアパート等に移るのには、それなりの理由がある。アメリカでは昔か ら、退職後このように住居を変えることを望む人が多い。州外に引っ越す退職者の数は、年5万人以上にもなる(8)。特に、北部の州から、温暖で湿気の少な い州に移る例が目立つ。フロリダ、アリゾナ、カリフォルニア等、そうした代表的な「温暖の地」には、まだ元気な高齢の退職者のためのコミュニティが溢れて いる。今日でも、これらの州では、著しい人口増加が続いている。こうした州の居住用、あるいは休暇用コミュニティは、今なお高齢者を惹きつけているため、 世代の入り交じったコミュニティが生まれようとしている。このようなコミュニティの中に点在するのが、健康な退職者用のコミュニティだ。こうしたコミュニ ティでは年齢制限があり、また門を構えて出入りを管理しているものが多い。こうしたコミュニティの居住者は、生活程度や人種が同一の人々で構成されてい る。全員が他所から移って来ただけに、コミュニティ内のネットワーク作りもすんなりといく。こうしたコミュニティには、どこかリゾート地かカントリー・ク ラブ風の雰囲気が漂う。実際、専用のゴルフコース、プール、テニスコート、活動センター、アトリエ、果てはレストラン付きのカントリー・クラブまで備えて いるところが少なくない。このような設備は、コミュニティ住民である退職者達の強い希望で維持されている。高齢者が声高に様々な要望を出し始めたのが、退 職者用コミュニティの最近の傾向と言える。温暖な土地以外にも、選択肢が広がってきた。北部の州の選り抜きの場所に設けた退職者コミュニティにも、人気が 集まりだした。例えば、1998.7.21付の「ビジネス・ウィーク」は「ゴルフ場に近いだけではもう不十分:文化、教育、仕事も気候と同じくらい重要な 条件」というタイトルで、特集を組んでいる。これには、次のような記事が掲載されている。文化的刺激、オレゴン州アッシュランド:オレゴン・シェークスピ ア祭の町;教育の場、インディアナ大学のカレッジ・タウンとメドゥウッド退職者用コミュニティ;就職の機会、テキサス州オースチン:多数のハイテク産業関 連会社;更に上記の全てを提供してくれるnaturally occurring retirement communities (NORCs; 期せずして高齢者が集まって暮らす場)、デンヴァーのキャピトル・ヒル(9)。創作意欲、教育、それに仕事を持つことで得られる充実感や経済力が、高齢者 の健康にプラスに作用することが、研究で証明されている点に注目して欲しい(10)。

Assisted Living (AL)

退職者が70代後半から80代に加齢していくにつれ、介助を受けずに自立した生活を保つのは段々困難になってくる。配偶者 やその他の家族の支援だけに頼れなくなると、以前は、たとえ医学上のケアを日常的に必要としなくても、ナーシング・ホームに入所するしか選択肢がなかっ た。しかし、医療施設は、住居ではない。つまり、人が加齢していく場ではないのである。自宅で暮らすより、当然、経費もかかる(医療費の払い戻しは、非常 に少ない)。高齢者は、ナーシング・ホーム入所を望んでいない。彼らの世話をしている子供達も、親をナーシング・ホームに入れることを望んでいない。少な くとも医師からは、もうホームに入れるしかないと告げられる。それでいて、家族(配偶者であれ、子供達であれ)は、罪悪感を覚えずにいられない。最後まで 世話するという責任が全うできなかった、もっとうまく世話できれば配偶者や親は住み慣れた家で余生を送れるのにと、感じるのである。ADL及びIADLに 関して複数の介助を要する高齢者でも、最近は細かく要望が出せるようになり、ナーシング・ホーム以外にも行き先のオプションが得られるようになってきた。 今日のアメリカでは、高齢者用住居として急速に人気の高まっているオプションはALで、ここ数年間で、このオプションを選ぶ人は15~20%も増加してい る(11)。「身体機能の低下した高齢者や障害のある成人で、自立生活をするのに何らかの援助が必要な人、或いは自宅にこれ以上留まっていたくない人にと り、ALは日常生活面のニーズや介助ケア面のニーズに見合ったオプションである(12)。」AL について、もっと詳しく見ていこう。ただし、これは非常に新しい概念で、今でも少しずつ進歩しているため、定義が非常に難しいことを了解しておかねばなら ない。AL を長年推し進めてきたヴィクター・レグニエは、次のように定義している。

「AL とは、性格的にもまた外観上も『住居』と呼ぶにふさわしいグループ・セッティングで、専門的に運営された日常生活上や健康上のケア・サービスを含む長期ケ アの一選択肢である。ニーズに応じた援助を供給する能力があり、居住者の身体的、心理的な自立を最大限に促すもの(13)。」

もう少し明確にするために、AL施設に備わっているべき9点の特質を、以下に挙げておこう。

1.見るからに、住居としての性格を備えていること。

2.施設の規模も建物のサイズもこじんまりとしたものであること。

3.住居としてプライバシーと満足感を与えるものであること。

4.居住者一人一人の個性を認める場であること。

5.自立心、相互依存の精神、個性を伸ばすものであること

6.健康維持、心身の活性化に重点を置いたものであること。

7.家族の介入を支援するものであること。

8.地域社会とのつながりを維持するものであること。

9.弱者に優しいものであること(34)。

ALの解釈が、人によってまちまちなのが問題だと、レグニエ氏は言う。 ALを、ケアの精神を指すと見る人もいれば、建物の種類を指すと考える人もいる。管理上の一形態と見る人もいる(15)。この3つの観点からALを検討してみるのも、役に立つかもしれない。

Assisted Living :ケア精神

  AL はそのケア精神によって、他の長期ケアと根本的に違っている。高齢者一人一人の関心とニーズに焦点が当てられているのだ。「ALのケア精神は、個人の尊 厳、自立、自律、プライバシーの尊重を強調している。身体機能が衰えた高齢者でも、今持っている能力を維持、或いは高めて、家庭的な環境の中で、可能な限 り自立した生活が出来るようにするというのが、ALの狙いである。高齢者が一定の方法に従って、特定のサービスを受けられるように制令化するというのでは なく、高齢者自身の選択や自立を尊重していくのがALの考え方なのだ(16)。」入居者のプライバシーを守り、一人一人の尊厳を大切にし、自立精神を高め ていく。介護プランの作成や実行に当たっては、家族や友人の参加を奨励する。安全な住環境の提供といっても、そのために規則が多すぎたり、入居者の身体的 自立や移動の自由、オプションの選択権、自己判断が奪われることなく、充分にバランスの取れたものでなくてはならない。このケア精神は、地域社会の人達と ALの入居者を結びつける役割をも果たしている。休養ステイやデイ・ケア・プログラムを提供することで、ALの入居者は地域社会の重要な資産となることが 出来る。地域社会のサービスを入居者が利用できるようにすることで、さらに地域との相互依存が推し進められる。地域社会の住民と AL の入居者の間の世代を越えた社会的、文化的交流の場として、AL の施設は地域社会に貢献することが出来る。

  行政側ではAL とナーシング・ホームの役割を明確に区別しているが、ALのケア精神の狙いは、AiPの考え方を支援することなのだ。身体機能の低下した高齢者を管理施設 型のナーシング・ホームに入れるのを避けるために、AiPの考え方が生まれたわけだが、ケアを提供するプロバイダー側には、危険と責任という問題は大きな ウエイトを占める。州によっては高齢者の入退居に関する方針を法律で定めているが、プロバイダーの判断に任せている州もある。またヘルス・ケアに対する行 政の考えが、管理施設的なセッティングを推し進めることもある。一方、ALはほとんど規則がない。国や地方自治体からの財政支援を受けていないからであ る。38の州ではALに財政支援を少し行ってはいるが、この支援枠は非常に小さく、せいぜい10万人程度の貧しい高齢者を対象にしているに過ぎない。画期 的な長期ケア・プログラムを試験的に実施しているオレゴンやワシントンなどの州では、他より多くのオプションが住民に提供されている(17)。高齢者の多 くは、余生をナーシング・ホームで送ることを望まず、たとえ経費負担を余儀なくされてもALの方を選ぶ。こうした場所は、貧しい高齢者用に作られているわ けではない。提供されるサービスによって異なるが、平均的な経費は月額約2000ドルである(18)。入居者は自分で経費を払っているだけに、当然なが ら、身体的問題があるのでナーシング・ホームに入るべしなどと、役所から州法律に沿って指図されることを好まない。事実、こうした問題を巡って、法廷で争 うこともあるくらいだ(19)。こうしたところに移ってやっと落ち着いた高齢者は、再びよそに移る気にはなれないのである。無理やり移転を繰り返させる と、悲惨な結果を招くことにもなる。 次に、建物の種類からALを見てみよう。

Assisted Living:建物の種類

  建物の種類とは、本来、建築学に於ける基本的な建築概念であり、用途や構造のカテゴリーとも関連しているものだ。ここでは、機能や構造で類別したときの種 類という意味で用いることにする。高齢者の長期ケア用の建物の種類は、普通、「コングリゲート住宅」「共同住宅」「ケア付き住宅」「AL」「継続ケア付き 退職者コミュニティ」「ナーシング・ホーム」に分けられる。これらに於いては建物の機能が、その建物の種類を決める。こうした各カテゴリーに於ける建物の 種類は、一般に思われている、それぞれの建物の機能を表すことになる。建物の機能は、例えば文化的背景など、様々な視点からの解釈を受け入れることが出来 る。ゆえに、建物の本来の機能を理解すれば、そこから本来とは違う使用法が出て来るかもしれない(41)。建築物の物理的な特性や工法は、建物の種類を更 に具体的に表している。しかし、建物の本質は、その建物の機能や構造、物理的特性を超えて、居住者と建物との相互作用から生じる精神的で私的な原動力の中 に宿っているのかもしれない(20)。

 先に、ALの定義として、性質も外観も「住居」のような施設だと述べた。「住居」という語 は、ALと従来の施設型の建物とを区別するために用いたものである。なお、ALのケア精神を巡る論議は、こうした施設の建築家やデザイナーが、管理施設型 ではなく「家庭的雰囲気」を生み出すことを目指していることにも触れている。典型的な医療機関型の長期ケア施設には、冷たい無味乾燥な雰囲気が付き物だ が、それを大幅に改善して、暖かみのある、まるで個人の家庭のような雰囲気を生み出すのが彼らの狙いなのである。医療機関に見られる職員中心の人間味のな い施設に対し、AL は入居者一人一人を思いやる、優しみのある場所なのだ。管理型施設と違い、ここでは家族の介入を渋ったりせず、むしろ奨励する。なぜなら「家庭的な環境 は、入居者の自立行為を促進し、継続的な成長を刺激するからである(21)。」次に、「家庭」と「家庭的」ということについて、もっと詳しく調べてみよ う。

  入居者に誇りを持たせ、日常生活の場で自己判断で選択を行わせる住居型の施設の方が、明らかに入居者やその家族から好まれている。ケア・プロバイダー達 は、人々のこうした好みをよく心得ていて、利用者の増加をはかるために、現在の施設にもっと家庭的な雰囲気を取り入れようと努めている。こうした、まだ改 善途上の新しいAL 施設では、どうすれば家庭の味が出せるのか見出そうと、試行錯誤している。問題は、家庭らしい性格を持たせるための客観的な基準が、なかなかまとまらない ことである。しかし、何が家庭的な雰囲気作りに役立つかを論じる前に、家庭という漠然とした概念を、もっと探ってみる必要がある。「家庭」及び「家庭的」 の概念が分かればALの精神にまで触れることになる。シュワルツは、家庭を「ALの概念的土台」と呼ぶ(22)。

  「家庭」という語は、自分が今住んでいる場所、その場所を共有している人達との親密なつながり、日常生活や活動の基盤といったものを想起させる。一生の 間、繰り返し繰り返し訪れる場所が、家庭である。長年慣れ親しんできて、いろいろな思い出が満ち、居心地のいい場所であればこそだ。

  「家庭」という語や概念は、「家」とは区別して考えなくてはならない。「家」は単なる建物、物理的な形体、景観の一部である。これに対して「家庭」は、言 葉でははっきり描写しがたい「体験的現象」のようなものである。シュワルツによれば、「家庭の本質は、家という物理的な特性から離れて、個性、思い出、習 慣、文化を背景とした反応や価値観、といった心の領域に入っている(23)。」 パラスマーも同意見だ。「家庭は固有の顔を備えた住みかだ。この微妙な個人化の方法は、建築学の概念では説明しきれない。住みか、というか、家は、容器、 つまり家庭の殻だ。家庭の実質は内側に隠されている。住みかという外枠の中に、居住者がひそかに家庭を繰り広げているとでもいおうか。家庭は、居住者の個 性の表現であり、純粋に当人だけの生活様式なのだ。そのため、家庭の本質は、工芸品というより生活そのものにより近いのである(24)。」 家庭は独自性や、自己、安定感、永続性、安心感、交わりなどの精神を伝えてくれる。家庭のこうした面は、他のどんな建築物やデザイン要素にも見られないも のである。とは言っても、家庭環境の物理的な性質(外観、空間的配置、内装、調度)が、こうした、家庭の本質的なものを育むための土壌を供給しているので ある。それらは、典型的な管理施設に見られるものと同じではない。それでも、ALに家庭のような雰囲気を生み出そうと苦心している建築家やデザイナーが、 見つけだし、画一的な施設に組み込もうとしているのは、こうした家の特質なのである。家庭らしさを生み出す様式を研究したり、AL施設を家庭的に見せるた めの苦心を高齢者がどう受け止めているかのアンケート調査も、改善に役立っている(25)。

  親しみやすい外観、程良い大きさ、天然素材、部屋割りの配慮、プライバシー、個人の調度品など、ALの施設を家庭らしく見せるために、建築家やデザイナー は、そこに家庭環境の天然の要素を適度に盛り込もうとしている。家庭的な環境を作り出すための、こうした建築やデザイン上の諸要素の効果に関しては、デザ イナーとプロバイダー、またデザイナーと入居者では、見方にギャップがあるようだ。例えば、入居者は、家庭的な要素を喜びながらも、結局AL施設もナーシ ング・ホームとそう違わないと感じる。彼らにとり、「家庭的」な環境は、あくまで「家庭」とは別物なのだ。建築家やデザイナー、プロバイダー達は、ALを ナーシング・ホームとの比較で評価する。しかし入居者は、自分達の実際の家庭と比較するのである(26)。

  AL施設を家庭にするためには、もっと微妙な、個人的、心理的な家庭のイメージが感じられなくてはならない。これは不可能ではないとしても、ALの原点が 潜在的に家庭と矛盾するものを持っているだけに、これまでよりはるかに難しい作業になる。ブルメットは問題点を次のようにまとめている。(1)入居者は ニーズを満たすのに職員に全面依存(2)他人との集団生活から生じるなわばり意識とプライバシーとの妥協(3)職員や介護人側のニーズ(4)入居者の福祉 に関する安全基準の引き上げ。つまり、AL施設の生活には、以下のようなことが付き物なのである。(1)自律と自立の劣化(2)プライバシーの侵害、及び 私有スペースの減少(3)入居者ではなく施設所有者のニーズに焦点(4)リスクを最小限に抑えるため、自己判断で選択する能力を抑制(27)。AL施設に 入所することは、家庭を捨てることだ。たとえ、施設の環境がいくら家庭的でも、言葉では定義しにくいがとにかく特別なものを持った家庭の豊かさから、徐々 に離れていくことを意味している。高齢になればなるほど、日常生活行為(ADL)に要する介助量も増えるため、入居者の自立はその分、低下することにな る。

  高齢者は、ADLに介助の必要を感じて、AL施設に入所するのだ。しかし、往々にして、身体的能力だけで人の自立度が測られてしまう。あ まりにも介助が必要になると、このADL介助が、高齢者をAL施設から引き離して、ナーシング・ホームか病院に移す物差しに使われる。このよくあるシナリ オは、何を物語っているのか。AL施設に入居する人もプロバイダーも、この施設を、地域社会での自立した生活と、ナーシング・ホームでの生活との中継点と しか受け止めていないことになる。AL施設入居者に聞き取り調査を行うと、彼ら自身、身体機能が著しく衰えた人々と集団生活することは望んでいないことが 分かる。これは、将来自身の老化が進んだときは、他の施設に移るのもやむを得ないと、無意識の内に認めていることを示している。プロバイダー側も心身に障 害の見られる高齢者の安全問題が、気がかりのようだ 。高齢者の長期ケアに関して、加齢と共に衰弱が進み、ますます多くの医療ケアが必要になる人々 を、施設から施設へ渡り歩かせていいのだろうかという疑問が生じる。それとも、最後まで同じ場所で、余生を送らせてあげるべきなのか。これは、AL のcontinuum-of-care(継続ケア)モデル対ALのAiPモデルの最新の論争を反映している。ALの継続ケア・モデルは、ヘルスケアと介護 サービスを強調する。このモデルの賛同者達は、ALを、地域社会での自立生活からナーシング・ホームでの生活への橋渡し的存在として捉えている。この医療 モデルの考えでは、高齢者の健康状態が著しく低下すれば、もはやAL に住み続けるのはふさわしくないということになる。現在のアメリカでは、継続ケア・モデルが、標準になっている。

  AiPの支持者達は、高齢者がAL施設にいつまでも居られるようにすべきだと信じている。長期入居の問題の他にも、AiPモデルに期待できることがある。 同じ場所にずっと住み続けることで、生活の質が向上すると、このモデルの支持者達は考えているのだ。家庭からAL施設に移って来たての高齢者は、もちろ ん、日常生活行為に介助を受ける必要が出てきてやむなく入居したのだろうが、気持ちの上では、まだ、自立心に富んでいる。入居も、彼ら自身の判断で決めた 場合が多い。加齢が進み、身体の機能低下も進むにつれ、だんだん依存心が強くなり、自立心が薄れていく。おまけに、施設を移るたびに、医療機関的要素が目 立つようになり、その分、高齢者の混乱や物忘れ、寂寥感、無力感が募ることになる(28)。AiPは、高齢者がAL施設に入居したら、他の施設に移らされ ることなく、そこにずっと居続けられるようにしようという考えである。このような場合、問題になるのは、AL施設に、専門家によるヘルス・ケアやホスピス の緩和ケアを取り入れることが出来るか否かである。しかし、ALの継続ケア・モデルとの折衷案である、継続ケア退職者コミュニティ(continuing care retirement communities, CCRCs)は、アメリカでは高齢者の長期ケアとして人気を集めている。

AL規定について

 ALは長期ケアの新しい形態なので、現行の連邦管理の基準を適用することは出来ない。代わりに各州が参加して、開業認可や弁償規準の問題に取り組みだした。さまざまな州で ALを既にある住宅法と長期ケアシステムの中に組み込む方法を模索する中で、これまでばらばらに行って来たことを整理し、州独自の規定作りへと進展させた。1998年6月時点の情況はこうである。

22州がAL 施設開業認可規定を制定。

11州がAL規定を立案、或いは改訂。

11州がALについて研究中。

22州が医療サービス機関としてのALの経費の弁償を計画、或いは既に弁償(この中にはAL開設規定を別に設けている州もいない州も含まれる)。

6州がケア付き居住施設としてALの経費を弁償(29)。

  AL施設を監督するために、以下の3種の開業認可規定が適用されている。

1.幾つかの州では、ALを、専用の開業認可規定と法規準を備えた新しい個室タイプの居住施設として分類。              2.少数の州では、様々なタイプの介護型居住施設に適用している規定を新しいALのカテゴリーにも併用。               3.他の幾つかの州では、ALの認可施設を、居住施設或いはケア付き居住施設という名目でこれらと同一カテゴリーに分類 (30)。

建 築基準やヘルス・ケア規準等に関して、ALの国家的な定義が何もないために、アメリカ国内にさまざまな規準が出来てしまった。一方で、ALのケア精神は、 独立運営の高齢者用施設、認識障害者用のコミュニティ、居住型ケア・センター、ホスピス、家庭での加齢等、種々の高齢者長期介護の現場で活かされ始めてい る。このことから分かるように、管理施設がたケアと他の長期ケア・オプションの区別は曖昧だが、それは取りも直さず、ケア・サービスは特定の環境だけに存 しているものではないこと、また、身体機能の低下を理由に転居を義務づける規定には解釈の余地があることを意味している。

  規定は、大きく3つの分野に分けることが出来る。ゾーニング(地帯設定)規定、建築デザインの規定、それにヘルス・ケア、日常生活のケア、食事サービスを 管理することになる開業認可規定である。ゾーニング規定は、長期ケア施設を周辺の地域社会にとけ込ませることを阻んでいる。ナーシング・ホームは普通、管 理施設地帯に建設することになっている。つまり、法律でそれぞれの土地の使用目的が規定されているため、そこに商店や住宅は造れないことになる。結果とし て、心身機能の低下した高齢者の居住施設はコミュニティから切り離され、入居者は地域の人達から隔離されてしまう。高齢者の居住施設と地域社会との関係に ついては、ヨーロッパで奨励されている、ヘルス・センターやリハビリ・サービス、レストラン、創作活動センター等との複合施設に、可能性が示されているよ うだ。

  建築デザインの規定は、建築物の種類や、使用対象者によって決まる。心身機能の低下した人達が対象の場合は、デザインにもふさわしい配慮がなされなくては ならない。もし現在の消防法の条件を満たしていなければ、入居者は法律により立ち退かされてしまう。建築基準法規は州ごとに異なるし、また同じ州内でも自 治体ごとに異なるが、安全面から一番重視されるのは消防法であり、しばしば、生活の質を損なうもとにさえなっている。例えば、暖炉のような住宅設備や住宅 装飾要素を、施設に取り入れるには、厳しい制約がある。反対に、極端に広い廊下や大きなドア、頑丈な壁、作りつけの消火設備、各個室のナース・ステーショ ンからの距離等、管理施設的な要素は、建築基準法で義務づけられているのだ。

  ヘルス・ケア、パーソナル・ケア、食事サービスに関わる開業認可規定は、サービスの供給者の能力、及び供給の方法に焦点を置いている。AL施設の住環境維 持については、家族のケアへの参加を制限する規定や、入居者に日常生活行為(ADL)を自主的にさせないような規定が、何よりのネックになっている。こう した規定は入居者の自律心を低下させ、自分で選択する権利を奪い、自尊心を傷つけることになる。高齢者に対する虐待が、ナーシング・ホームで深刻な問題に なっている。しかし、反応を狭め、集団生活の場で期待できる治療法に水を差すような、こうした法律や規定を導入することが、この問題の最良の解決策になる とは思えない。スウェーデン、デンマークのようなスカンディナヴィア諸国が、上記の問題にどのように対処しているかを見ると、改善を考える際の参考にな る。ナーシング・ホームの規定は厳格に守り、一律に適用する必要がある。規定を各入居者に会わせて調整する余地はないのである。それに、介護サービスのタ イプを変更すると、建築基準法を更に厳しくされることにもなりかねない。自立心に富んだ、しかし普通ならナーシング・ホームに行くしかない心身機能の低下 した高齢者がますます増加している今、この先ALがナーシング・ホームに取って代わるとすれば、典型的な小規模のAL施設は、今後、もっと規模の大きい特 養施設や病院に適用されているより厳しい規則を満たしていかなければならなくなるだろう。言いかえれば、ALの住宅的な性格は、管理施設化が進む中で失わ れてしまうことになるのだ。これを防ぐために、行政やヘルス・ケア担当者達は、特別養護とALの違いをきちんと把握する必要がある。

  ALの規定に対する見方は、大きく二つに分かれる。多くの人は、ALの規定は、消費者保護の上で必要だと考えている。これは、ヘルス・ケアや安全の基準で あると共に消費者保護の法規でもあるのだと。AL施設の入居者の多くも、恐らく同意見だろう。しかし、他方で、上から押しつけられた規定は、ALの創造性 や革新的な精神を損ない、性格をゆがめてしまうと危惧している人達もいる。規定が、実験的な試みや進歩にブレーキをかけると案じているのだ。シネリは「常 識と消費者の声以外頼るものがない無認可状況」の中で建てられたヘリテージ・ハウスという施設を成功例として挙げ、もし規定に縛られ過ぎていたら、この施 設を現在の形に建てることは出来なかっただろうと述べる(31)。

継続ケア退職者コミュニティ (CCRC)

  継続ケア退職者コミュニティ(継続ケア・コミュニティとも言う)は、一つのコミュニティに異なるレベルのケアを組み合わせた施設だ。健康な高齢者はこうし たコミュニティに入って、可能な限り長く自立生活を送ることが出来る。その後ケアの必要が生じればALに移り、更に必要に応じて特別養護に切り替えること もできる。これらの全てが同一のコミュニティ内で受けられるのだ。つまり、どんなレベルの介護が必要になっても、入居者は同じコミュニティに、同じ社会的 連携を保ったまま、居続けることが出来る。その上、あらゆるタイプの長期のヘルス・ケアも保証されていて、そうした施設が近くに整っている。いったん CCRCに入れば、もう将来の転居先を案じる必要はないのである。ヘルス・ケアの経費については、前納金でカバーするか、或いは入会費を安くしてその代わ り将来ケアの必要が出て来ればその都度負担させるという条件を付けることで対処する。健康な高齢者のコミュニティがあることで、CCRCの生活は入居者に は魅力的で、家庭的な雰囲気、文化活動、スポーツ、遠足、生涯学習プログラム、銀行へのアクセス、旅行、投資サービス、買い物に出るときの交通手段、健 康・医療サービスへの常時アクセス等が備わっている。自己管理は非常に重要なので、運動、栄養、安全面からの老化予防策に力が入れられ、こうしたプログラ ムが福祉センターで実施される。

  高齢の夫婦の一方にケアの必要が生じ、配偶者だけでは介護しきれないと感じだしたときに、CCRCの入居を決意する場合が多い。しかし、多くの人が、比較 的若くて体力があるうちに入居することを勧めている。その方が入居費が安く、用意されているプログラムをフルに活用できるという利点があるからだ。コミュ ニティでは、郊外の一戸建てアパートから、田舎の庭付きアパート、付属住宅、独立家屋からなる複合団地まで、選択肢が幅広く用意されている。支払いには、 大きく二つのタイプがある。高額の前納金をとる最も一般的なタイプと、毎月居住費を徴収するタイプである。前者では、入居時に納める額は、住宅一軒分の購 入費とほぼ同じであるが、この金額には老後の保障も込みになっていることを忘れてはならない。余生への投資なのである。しかし、万一、ここを退居するとな ると(実際、10%が退居する)(32)、居住期間の長短に関わらず、前納金は戻してもらえない。その上、さらに、入居者はアパートの家賃に相当する額の 入居費を毎月納めることになる。一方、月極めで家賃を払う方式では、多額の前納金を出さずにそのコミュニティを試してみることが出来る。万一退居すること になっても、財政上の損失は小さくて済む。継続ケア認定評議会が消費者保護やヘルス・ケアの質、財政状態を調べた上でコミュニティの認定を行うのも、利用 者には心強い。入居者にとりCCRCの最大の魅力は、先々必要となるヘルス・ケアが万端整っているので、もうどこにも引っ越しする必要がないという安心感 を与えてもらえるところなのである。

  CCRCの幾つかの面は、人々を尻込みさせるかもしれない。前に述べたように、初回の払込金が非常に高く、特に、ほとんどのコミュニティが採用している前 納という徴収法では、それが著しい。入居するには、すぐに支払いに回せる充分な貯蓄がなくてはならない。生涯ケアと引き替えに前納した金額の全ての権利を 放棄するという条件もまた、多くの人にとり、障害になっているようだ。文化的な多様性にも、欠けていることが多い。退職者コミュニティが、健康な高齢者向 けなのに対し、CCRCは、普通年齢制限があり、ほとんどが、経済的、社会的に同レベルの人々が集まった均一社会である。コミュニティへの出入りが管理さ れているのは、安全面の配慮からだろうが、一方で、CCRCを地域社会から孤立させる原因にもなり得る。とはいえ、CCRCに関して最も重要な問題は、そ れがAiPの理念を達成するものになり得るかどうかであろう。CCRCの入居者でさえ、健康が衰え、必要な介護の度合いが増すにつれ、もっと医療面の充実 した施設へ移るという風に、未だに施設を転々とさせられることがあるのだ。

  もし、レイブロックが言うように「これからのALは同一箇所で生涯ケアを与える場になる」(33)としても、こうしたタイプのCCRCでは、それがまだ達 成されていないのが現状である。確かに家庭的な雰囲気を備えたALは、医療施設型のナーシング・ホームと比べて、大きく改善されている。それでもALは、 継続ケアコミュニティに於いてでさえ、家庭で加齢したいという高齢者の願望を完全に叶えるものではない。真のAiPとは、必要なレベルのケアやサービスを 受けながら、家庭で加齢することである。そして、もしナーシング・ホームの将来の形態がALなら、AL の将来像は「同一場所での生涯ケア」、つまりAiPになるかもしれない。つまり、「同一場所での生涯ケア」は、継続ケア・モデルとAiP・モデルの2種の ALモデルを合併したものの進んだ形として、見られるようになるのではないか。しかし、ALに関して抱いたような疑問が、ここでも起きてくるかもしれな い。家庭的環境でのAiPで、専門的な医療ケアや更にはホスピス的な緩和ケアが、必要に応じて得られるものなのだろうか。

高齢者居住スタイルの理想像:「定住型生涯ケア

  Lifetime care in one location (同一場所での生涯ケア; いわゆる定住型生涯ケア)は、AiPの考えに沿った ALのケア精神の延長と見ることが出来る。同一場所での生涯ケアが効果的に実施されるためには、主要な三領域を発展させなければならない。身辺の介助や治 療が受けられる環境作り、ヘルス・ケアのアクセス、社会的支援の三つである。社会福祉政策の実施に当たっては、予算面での保証を得ることが必須である。そ れほど悲観的にならなくてもよいかもしれない。第一に、ヨーロッパには長年の素晴らしい実績があるし(34)、第二に、アメリカが福祉国家になることはな いだろうが、そのアメリカに於いてさえ、成功例が出てきている。例えば、ペンシルバニア州のブルー・ベルを本拠としたFriends Life Care at Homeは、個性的な非営利のクエーカー教組織で、家庭で老後を送ろうとする人々に、家庭介護やサービスを供給している(35)。第三に、高齢者の間で、 そのようなケアを望む声がますます高まりつつある。革新的なHMOが、訪問介護や医療支援を行っている(36)。

  自然及び人工の環境が、高齢者を含む全ての人の健康に及ぼす影響は大きい。自然の持つ癒しの力は、良く知られている(37)。住居を改良することで、多く の長期ケアサービスを減少、或いは廃止出来る場合があることも知られている(38)。税制上の優遇措置や貸付金の金利割引措置等で、ユニバーサル・デザイ ンの実施を促進することが出来る。住居のデザインに介入することで使いやすさが増せば、高齢者は、職員の介入なしに自分で身の回りのことが出来るようにな る。スエーデンで確証されたことだが、デザインの介入は職員の介入より、また、家庭での介護は介護施設に入るより、経費が安くて済む(39)。このデザイ ンの介入とは、どのように行われるのだろうか。例えば高齢者用のマイアミ・ジュウイッシュ・ホーム・アンド・ホスピタルに付属するスタイン老人学研究所 (SGI)には、介護テクノロジーのデモンストレーションとしてバスルーム付きの一間のアパートが実物と同じサイズで作られている。SGIには、自宅の使 いやすさを増すための改築プログラムも用意されている。インターネットにアクセス可能な人のためには、AARP(全米退職者協会)のホーム・ページでも情 報が得られる。レイブロックが記しているように、「ユニバーサル・デザインの導入で、長期ケア・サービスを提供するときに必要な優しさが生まれつつある (40)。」

  「ヘルス・ケアは今やポータブルになった(41)」介護サービス員が家庭を訪問してADLやIADLを助ける。食事宅配サービスは、広く知られている成功 例だ。人々が自らの福祉に責任を持つ今、保健と福祉が重要視され出した。CCRC で見られるように、栄養、運動、安全、保安等、予防策に何より気を配る。現在、ALで受けられるような介護は、サンライズ「在宅」ALのようなサービス組 織により、家庭でも受けられるようになった。訪問看護婦により、家庭で専門家の介護を受けることも可能である。どうして、このようなことが出来だしたの か。老人学及び老人医学の分野の知識が浸透したことと、医学の進歩に負うところが多い。更に、新しいテクノロジーも、大いに貢献している。例えば、在宅高 齢者を遠隔地からモニター・チェックする技術がいかに役立っているか、多くの報告書が証明している(42)。

  社会支援グループ、休養ケア、芸術及び芸術療法、隣人同士の助け合い、医療及び福祉サービス--こうしたもの全てが、手助けを必要としている高齢者の力に なっている。もし家族がケアに関わっているとしたら、そうした人々もこれらのサービスに支えられつつ、ケアを与えながら自分達の生活も続けていくことが出 来る。家族や友人の果たす役割は、非常に大きい。高齢者にとり、孤独感は何より心身に応えるものなのだ。先に記したように、痴呆を早める原因ともなり得 る。高齢者ケアは単なる医療行為以上のものであるという認識から、社会健康維持協会が作られ、通常のHMOを補助し、高齢者のニーズによりよく応えようと している。

ナーシング・ホームは、少なくとも従来の医療施設タイプのものは、もはや時代遅れになって来ている。ナーシング・ホーム は、同一場所での生涯ケアの場とは言えない。そうした場は、家庭(家族や友人がいて、さまざまな思い出と結び付いている場)であり、そこには、介護の手と 癒しがあり、また必要に応じて充分な日常生活での世話やヘルス・ケアが受けられることが大切である。こうして、私達は、高齢者の住居オプションの第一番目 に戻ることになる。もう一つの重要なポイントも、強調されなければならない。同一場所で加齢することに関して、最大のサポートは、まず高齢者自身が、最も 重要なのは「生活の質」だと認識するところから得られる。自立及び選択する能力を保つには、その分多少のリスクは覚悟しなくてはならない。今日の高齢者 は、このことを良く心得ていて、自分達の生活に意義を与えてくれるものとして受け入れている。ベイクラードの言葉を言い換えると、家庭とは、かつてあった もの、今あるもの、この先待っているものを夢見る場所なのだ(43)。  

付記:本研究発表は、科学研究費補助金 (課題番号12572006)

の補助を受けている。

注:

1 Ellen J. Langer, Mindfulness (Cambridge, Mass: Perseus Books, 1989) “Loss of Control,” pp. 50-53; “Learned Helplessness,” p.53-54.

2European information from Cynthia Leibrock, Design Details for Health: Making the most of Interior Designs Healing Potential (New York: John Wiley & Sons, 2000), pp. 77; 7-9.

3Joseph P. Shapiro, “Growing Old in a Good Home,” US News & World Report, 21 May 2001.

4House of Representatives Select Committee on Aging, Housing for the Frail Elderly: Hearing, May 4 and July 26, 1989 (Washington, D.C.: GPO, 1990), SD cat. No. Y4Ag 4/2:H 81/26.  Cited Leibrock, Design Details, p. 2.

5ibid.

6Witold Rybcznski, Home: A Short History of an Idea (New York: Penguin Books, 1986).

7Leon A. Pastalan and Janice E. Barnes, “Personal Rituals: Identity, Attachment to Place, and Community Solidarity,” p.83; in Benyamin Schwarz and Ruth Brent, eds.,  Aging, Autonomy, and Architecture: Advances in Assisted Living (Baltimore and London: The John Hopkins University Press, 1999).

8 “When a Home near the Fifth Hole isn’t Enough: For many, culture, educational offerings, and jobs are as crucial as climate.” Business Week, 20 July 1998.

9Business Week  20 July 1998.

10Gene D. Cohen, The Creative Age: Awakening Human Potential in the Second Half of Life (New York: Avon Books, 2000).

11“Assisted Living in the United States” on the AARP Research Center web site; citing The Assisted Living Sourcebook, 1998. Center for Assisted Living. American Home Health Care Association (AHCA),1998; (url:research.aaarp.org/il/fs62r_assisted.html). 

12“Assisted Living in the United States,”  AARP Research Center web site.

13 Victor Regnier, "The Definition and Evolution of Assisted Living with a Changing System of Long-term Care," p, 3-4; in Schwarz and Brent.

14 Victor Regnier, Jennifer Hamilton, and Suzie Yatabe,, Assisted Living for the Aged and Frail: Innovations in Design,Management, and Financing (New York: Columbia University Press, 1995), pp. 2-3

15 Victor Regnier, "The Definition and Evolution of Assisted Living with a Changing System of Long-term Care," p, 3-4; in Schwarz and Brent.

16 AARP Research Center web site, “Assisted Living in the United States”

17 US News and World Report , 21 May 2001, "A Better Way to Grow Old."

18 AARP Web Site: AARP Research Center, “Assisted Living in the United States”

19 US News & World Report,  21 May 2001. Joseph P. Shapiro, “The Assisted-living Dilemma: Residents and regulators strain to balance freedom with protection,” pp. 64-66

20 Ruth Brent, "Gerontopia: A Place to Grow Old and Die;" in Schwarz and Brent, Aging, Autonomy, and Architecture, pp.63-80.

21Robinson et all, 1984:5; (Robinson, J., T, Thompson, P. Emmons, and M. Graff. Towards an Architectural Definition of Normalization  (St. Paul: University of Minnesota, 1984); cited by Schwarz, "Assisted Living: An Evolving Place Type," p. 197; in Schwarz and Brent.

22 Schwarz,  "Home: The Conceptual Foundation of Assisted Living," "Assisted Living: An Evolving Place Type," pp. 197-199; in Schwarz & Brent.

23 Schwarz, "Assisted Living: An Evolving Place Type," p. 198.

24 J. Pallasmaa, "Identity, intimacy, and domicile: Notes on the Phenomenology of Home," p. 132.  In D. Benjamin, ed., The Home: Words, Interpretations, Meanings, and Environment. (Aldershot, U.K.: Avebury, 1995); cited by Schwarz, p. 198; in Schwarz & Brent.

25 Alexander, C., et al, Pattern Language, New York: Oxford University Press, 1977;  John P. Marsden and Rachel Kaplan, "Communicating Homeyness from the Outside: Elderly People's Perceptions of Assisted Living;" in Schwarz & Brent.

26 See Jacquelyn Frank, "I Live Here but It is not My Home: Residents' Experiences in Assisted Living," pp. 166-182, in Schwarz and Brent.

27 After W. Brummett, The Essence of Home: Design Solutions for Assisted Living Housing.  (New York: Van Nostrand Reihold, 1997); cited by Schwarz, "Assisted Living: An Evolving Place Type,” p. 198; Schwarz & Brent.

28On the concept of liminality, see Jacquelyn Frank, "I Live Here but It is not My Home," p. 180; in Schwarz and Brent.

29According to the AARP Research Center report: “Assisted Living in the United States,”  http://research.aarp.org/il/fs62r_assisted.html.

30ibid.

31 Daniel J. Cinelli, “Place Makers a Difference: A Case Study in Assisted Living.” In Schwarz and Brent,, pp. 262-277.

32 US News and World Report, 21 May 2001, p. 60.

33 Leibrock,, Design Details, p.11.

34See Leibrock, Design Details, pp. 7-9.

35US News & World Report, 21 May 2001, article, p. 60.  For Friends Life Care at Home, see web site: URL: http://www.friendslifecareathome.org/.

36See Joseph P. Shapiro, “Growing Old in a Good Home,” U.S.News & World Report,  21 May 2001.

37 Robert S. Ulrich, “View from a Window May Influence Recovery from Surgery,” Science  224 (1984): 420-421; cited Langer, Mindfulness, pp. 178-179 & note 11

38 R. Stuyk, “Current and Emerging Issues in Housing Envvironments for the Elderly,” in America s Aging: the Social and Built Environment in an Older Society,  Committee on an Aging Society (Washington, D.C.; National Academy Press, 1988); cited by Leibrock, Design Details,  p. 6 & note 25.

39 Leibrock, Design Details,  p. 47, pp. 7-8.

40 Leibrock, Design Details,  p. 6.

41Leibrock, Design Details,  p.11.

42 US News & World Report,  p. 60.

43Gaston Bachelard, The Poetics of Space (Boston: Beacon Press, 1994), p. 6; first published in French under title La poetique de l espace, Presses Universitaires de France, 1958.


『老人施設の「生活の質」と芸術の役割』