アメリカに於ける高齢者の居住環境の選択肢

ブルース・ダーリング(Bruce DARLING)

(和訳:服部由紀子)

はじめに

 新しい世代の高齢者は、健康で活動的で創造性に富み、教育のある、いわゆるエイジ・ウエーブを構成する人達だ。当論文では、このような新しい世代の高齢者は、加齢が進んでも、高い生活の質の維持を望んでいることや、環境の果たす役割が大きいことを指摘する。

 こうしたことを踏まえ、医療施設は加齢に適した場ではないという前提に立って、アメリカに於ける高齢者の住居オプションを検討する。高齢社会の住居対策の答えとして、脱施設化又はノーマライゼイションという明確な方向付けがなされようとしている。当論文では、次に、independent living (IL; 自立型リビング)、assisted living (AL; 介助付きリビング)、lifetime care in one location(定住型生涯ケア)といった、アメリカの高齢者用住居オプションの最近の傾向を紹介する。この論文が、日本の高齢者の住居問題を考える上で、何らかの参考になればと願っている。

今日のアメリカの高齢者住居

 前記の種々のタイプの居住スタイルは、居住者の視点で注意深くデザイン、運営されていて、新しい高齢者層の潜在的な創造力を伸ばすのに一役買っている。この点だけからでも、居住者の生活の質の向上に役立っていると言える。更に、加齢の新しい環境を考慮に入れ、居住スタイルに応じた様々なオプションを用意している。これは、大切なことだ。オプションを与えられ、自己の生活様式を選べる人達は、そうでない人達よりも健康で、前向きな考えを持ち、生活に対する満足度も大きいことが、実験で証明されている(1)。今日の高齢者は、余生を送る上で、これまで親しんできたように、ますます多様な選択肢を求めている。すかし、これらの独創的な住居オプションの中に、従来のナーシング・ホームのような施設は全く入ていないことに注意して欲しい。そうした施設は、住居とは呼べないからである。ただの医療施設と見なされているのだ。だが他に何も頼るものがなければ、ナーシング・ホームでも役立たせることが出来る。例えば、ナーシング・ホームを継続ケア付き退職者コミュニティの一ユニットと捉えるのである。

 アメリカに於いては、高齢者の求めに応じて様々な住居オプションが、生まれつつあるが、これがナーシング・ホームへの入居者が減り、ホーム数が減少している理由の一つになっている。逆に、こうした施設を利用すると従来思われてきた高齢者層の方は、増加しているのである。社会福祉政策がアメリカとかなり異なるヨーロッパでは、この点で最も進んでいる。実際、スカンディナビア諸国の多くでは、ナーシング・ホームの建設は法律で禁じられている。デンマークでは、ナーシング・ホームを新たに建設することは、1990年くらいから公的に見合わせている:「将来、施設とは全く異なる自立型住宅が建てられることになっている。」これは以下に挙げるような、デンマークの進んだ社会福祉政策とうまく咬み合っている。すなわち、自立型住宅に住む高齢者へのサービス提供、ホームのアクセシビリティの確立、高齢者が日常生活を継続していくための支援、有意義な活動に高齢者が長くかかわれる体勢づくり、高齢者が高い期待を保持出来るように配慮、高齢者自身の判断・選択を最優先といった政策である。スウェーデンでも、ナーシング・ホームのベッド数を毎年約900床ずつ減少させている。スウェーデンでは、介護の必要な高齢者は、自宅か、ケア・ハウスで暮らしている。まだ残っているナーシング・ホームは、重度の機能障害者用の亜急性の施設と見なされていて、このため、一般の人々が余生を送る場としてはふさわしくないと考えられている。イギリスでは、高齢者のほとんどは自宅で介護を受けていて、その長期介護は3つに区分される。一番目は、隣人による手助け。二番目は、地区提供の介護サービス、三番目は、専門家による介護。普通、施設入居は最後の手段である(2)。このように専門施設を離れる動きを、脱施設化、あるいは、ノーマライゼーションと呼ぶことがある。

 こうした傾向は、アメリカでも見られる。例えば、『US News and World Report』2001.5.21号の「加齢をより素晴らしく:ナーシング・ホームに代わるもの」と題した特集記事で、この10年間に75歳以上の高齢者は27%増加したが、ナーシング・ホーム入居者は逆に約10%減少したことが報告されている(3)。アメリカではこれまで、身体機能の低下した高齢者は、ナーシング・ホームに入居させるのが一般的だった。1989年度のアメリカ政府報告書によると、アメリカは、先進国の中でナーシング・ホームの入居率が最も高い(4)。しかしその1989年でさえ、オレゴン州のナーシング・ホームの入居者のうち、何と93%が、入居の必要なしと判定されていた(5)。つまり、ナーシング・ホームは住居問題の解決策として使われているだけで、ヘルス・ケアの役割は果たしていないのである。住居問題の解決策としてであれば、このような医療型施設が、住宅にふさわしいとは思えない。第一、入居費がかさむし、第二に、組織化された無味乾燥な雰囲気は、高齢者に優しい癒しの場を作るには不適当である。ゆえに、人々がナーシング・ホームを離れて、長期介護の整った住環境に移ることを求めだしたのも、容易に理解できる。

高齢者の居住スタイルのオプション

次ぎは高齢者の居住スタイルのオプションを幾つか見ていくことにしよう。すなわち、independent living(IL; 自立型リビング)、assisted living(AL; 介助付きリビング)、lifetime care in one location(定住型生涯ケア)である。

Independent Living(IL)

 大部分の人は、家庭で、つまり自立して余生を送るのが最も理想的だと考えていることが、複数のアンケート調査の結果、明らかになった。しかし、家庭の定義は、そう簡単ではない。家庭の代表的な特質は何だろうか。家庭は単なる家屋ではない。時と共に、家庭の意味も変わる。慣れ親しんだ場、自分の生活に責任がとれる場、自律の場、生活上の重要な選択を行う場、困難に挑み、思い切って試してみる場、限りなく成長していく場。建築学的にどうこう言うより、「在宅」の心理状態を考えた方が、家庭をより的確に定義できるかもしれない。家庭は、個人の福祉の中心である。誰でも、家にいるときが一番くつろげる(6)。経済は、大部分の人にとって重要な関心事であろう。高齢者の住む家屋は支払い済みの場合が多いので、住居費はその分、楽だ。しかし、高齢になっても自宅に居続ける、すなわちAging in Place (AiP; 同一居所での加齢)を実現するためには、その家が居住者の身体的なニーズの変化に応じられるものでなくてはならない。自宅で加齢するには、建築上、内装上のサポートが中心的役割を果たす。この種のデザインは、一般的に「バリアフリー」と呼ばれている。最近「ユニバーサル・デザイン」という更に進んだ考えが出てきた。身障者のために障壁を取り除くことが必要だという考えは、今では、年齢、心身能力、可動性の別に関わらず、万人がアクセスできることが必要という考えに取って代わろうとしている。もちろん、建築上、内装上のデザインが、自宅で余生を送る最大の決め手となるのであるが、様々なケアや健康、社会面の支援サービスも欠かせない。何より大切なのが、配偶者や家族、友人、隣人達から家庭の内外で受ける手助けである。足腰が弱っていく時期に孤立していると、老いがいっそう早まることになりかねない。デイ・サービス・センター、公共図書館、キリスト教及びユダヤ教青年協会、教会等が、家庭で暮らす高齢者に、社会と接し、創造的な活き活きした生活を送るための機会や場所を提供している。移動手段の確保に対する配慮も必要だ。

 ADL及びIADLの介助が必要な在宅高齢者にとり、家族から受けるケアを補助するものとして、ホーム・ヘルパーの存在は有り難い。ADL及びIADL は個人にとり日常生活の大切な「儀式」、まさに「人を家庭と呼ぶ場所に結びつける絆」(7)である。こうしたことに介助の必要な人々が家庭との絆を断たれないように、きめ細やかなケアが必要になってくる。例えば、給食の宅配サービスのようなホーム・サービス・プログラムが不可欠であることが証明されている。

 生涯、自立して生活するためには、どこかの時点でヘルス・ケアを取り入れることになる。病院やナーシング・ホームのアウトリーチ・プログラムも、その一例だ。こうしたニーズに応じるために、専門の会社も設立されている。AiPを確保するために、高齢者の介護に当たる家族が休息できるように、ショート・ステイの介護休息施設(respite facilities)を設けることも、このプログラムの一部である。どの時点でAiPが難しくなるのか。専門家の介護は家庭でどのくらい受けられるのか。AiPにおけるホスピスの役割は何か。アメリカでは、こうした問いに対する答えはまだ明確に出ていないが、ヨーロッパでは次第に明らかになっている。ILについては、後にlifetime care in one location(定住型生涯ケア)について述べる際に、再度触れたいと思う。

Assisted Living(AL)

退職者が70代後半から80代に加齢していくにつれ、介助を受けずに自立した生活を保つのは段々困難になってくる。配偶者やその他の家族の支援だけに頼れなくなると、以前は、たとえ医学上のケアを日常的に必要としなくても、ナーシング・ホームに入所するしか選択肢がなかった。しかし、医療施設は、住居ではない。つまり、人が加齢していく場ではないのである。自宅で暮らすより、当然、経費もかかる(医療費の払い戻しは、非常に少ない)。高齢者はナーシング・ホーム入所を望んでいない。彼らの世話をしている子供達も、親をナーシング・ホームに入れることを望んでいない。少なくとも医師からは、もうホームに入れるしかないと告げられる。それでいて、家族(配偶者であれ、子供達であれ)は、罪悪感を覚えずにいられない。最後まで世話するという責任が全うできなかった、もっとうまく世話できれば配偶者や親は住み慣れた家で余生を送れるのにと、感じるのである。ADL及びIADLに関して複数の介助を要する高齢者でも、最近は細かく要望が出せるようになり、ナーシング・ホーム以外にも行き先のオプションが得られるようになってきた。今日のアメリカでは、高齢者用住居として急速に人気の高まっているオプションはALで、ここ数年間で、このオプションを選ぶ人は15〜20%も増加している(8)。「身体機能の低下した高齢者や障害のある成人で、自立生活をするのに何らかの援助が必要な人、或いは自宅にこれ以上留まっていたくない人にとり、ALは日常生活面のニーズや介助ケア面のニーズに見合ったオプションである(9)。」AL について、もっと詳しく見ていこう。ただし、これは非常に新しい概念で、今でも少しずつ進歩しているため、定義が非常に難しいことを了解しておかねばならない。AL を長年推し進めてきたヴィクター・レグニエは、次のように定義している。

「ALとは、性格的にもまた外観上も『住居』と呼ぶにふさわしいグループ・セッティングで、専門的に運営された日常生活上や健康上のケア・サービスを含む長期ケアの一選択肢である。ニーズに応じた援助を供給する能力があり、居住者の身体的、心理的な自立を最大限に促すもの(10)。」

もう少し明確にするために、AL施設に備わっているべき9点の特質を、以下に挙げておこう。

1.見るからに、住居としての性格を備えていること。

2.施設の規模も建物のサイズもこじんまりとしたものであること。

3.住居としてプライバシーと満足感を与えるものであること。

4.居住者一人一人の個性を認める場であること。

5.自立心、相互扶助の精神、個性を伸ばすものであること

6.健康維持、心身の活性化に重点を置いたものであること。

7.家族の介入を支援するものであること。

8.地域社会とのつながりを維持するものであること。

9.弱者に優しいものであること(11)。

ALの解釈が、人によってまちまちなのが問題だと、レグニエは言う。 ALを、ケアの精神を指すと見る人もいれば、建物の種類を指すと考える人もいる。管理上の一形態と見る人もいる(12)。この3つの観点からALを検討してみるのも、役に立つかもしれない。

Assisted Living :ケア精神

 AL はそのケア精神によって、他の長期ケアと根本的に違っている。高齢者一人一人の関心とニーズに焦点が当てられているのだ。「ALのケア精神は、個人の尊厳、自立、自律、プライバシーの尊重を強調している。身体機能が衰えた高齢者でも、今持っている能力を維持、或いは高めて、家庭的な環境の中で、可能な限り自立した生活が出来るようにするというのが、ALの狙いである。高齢者が一定の方法に従って、特定のサービスを受けられるように義務づけるのではなく、高齢者自身の選択や自立を尊重していくのがALの考え方なのだ(13)。」入居者のプライバシーを守り、一人一人の尊厳を大切にし、前向きな姿勢を養っていく。介護プランの作成や実行に当たっては、家族や友人の参加を奨励する。安全な住環境の提供といっても、そのために規則が多すぎたり、入居者の身体的自立や移動の自由、オプションの選択権、自己判断が奪われることなく、充分にバランスの取れたものでなくてはならない。このケア精神は、地域社会の人達とALの入居者を結びつける役割をも果たしている。介護休息ステイやデイ・ケア・プログラムを提供することで、ALの入居者は地域社会の重要な資源となることが出来る。地域社会のサービスを入居者が利用できるようにすることで、さらに地域との相互扶助が推し進められる。地域社会の住民と AL の入居者の間の世代を越えた社会的、文化的交流の場として、AL の施設は地域社会に貢献することが出来る。

 行政側ではAL とナーシング・ホームの役割を明確に区別しているが、ALのケア精神の狙いは、AiPの考え方を支援することなのだ。身体機能の低下した高齢者を管理施設型のナーシング・ホームに入れるのを避けるために、AiPの考え方が生まれたわけだが、ケアを提供するプロバイダー側には、危険と責任という問題は大きなウエイトを占める。州によっては高齢者の入退居に関する方針を法律で定めているが、プロバイダーの判断に任せている州もある。またヘルス・ケアに対する行政の考えが、管理施設的なセッティングを推し進めることもある。一方、ALはほとんど規則がない。国や地方自治体からの財政支援を受けていないからである。38の州ではALに財政支援を少し行ってはいるが、この支援枠は非常に小さく、せいぜい10万人程度の貧しい高齢者を対象にしているに過ぎない。画期的な長期ケア・プログラムを試験的に実施しているオレゴンやワシントンなどの州では、他より多くのオプションが住民に提供されている(14)。高齢者の多くは、余生をナーシング・ホームで送ることを望まず、たとえ経費負担を余儀なくされてもALの方を選ぶ。こうした場所は、貧しい高齢者用に作られているわけではない。提供されるサービスによって異なるが、平均的な経費は月額約2000ドルである(15)。入居者は自分で経費を払っているだけに、当然ながら、身体的問題があるのでナーシング・ホームに入るべしなどと、役所から州法律に沿って指図されることを好まない。事実、こうした問題を巡って、法廷で争うこともあるくらいだ(16)。こうしたところに移ってやっと落ち着いた高齢者は、再びよそに移る気にはなれないのである。無理やり移転を繰り返させると、悲惨な結果を招くことにもなる。 次に、建物の種類からALを見てみよう。

Assisted Living:建物の種類

 建物の種類とは、本来、建築学に於ける基本的な建築概念であり、用途や構造のカテゴリーとも関連しているものだ。ここでは、機能や構造で類別したときの種類という意味で用いることにする。高齢者の長期ケア用の建物の種類は、普通、「集合住宅」「共同住宅」「ケア付き住宅」「AL」「継続ケア付き退職者コミュニティ」「ナーシング・ホーム」に分けられる。これらに於いては建物の機能が、その建物の種類を決める。こうした各カテゴリーに於ける建物の種類は、一般に思われている、それぞれの建物の機能を表すことになる。建物の機能は、例えば文化的背景など、様々な視点からの解釈を受け入れることが出来る。ゆえに、建物の本来の機能を理解すれば、そこから本来とは違う使用法が出て来るかもしれない。建築物の物理的な特性や工法は、建物の種類を更に具体的に表している。しかし、建物の本質は、その建物の機能や構造、物理的特性を超えて、居住者と建物との相互作用から生じる精神的で私的な原動力の中に宿っているのかもしれない(17)。

先に、ALの定義として、性質も外観も「住居」のような施設だと述べた。「住居」という語は、ALと従来の施設型の建物とを区別するために用いたものである。なお、ALのケア精神を巡る論議は、こうした施設の建築家やデザイナーが、管理施設型ではなく「家庭的雰囲気」を生み出すことを目指していることにも触れている。典型的な医療機関型の長期ケア施設には、冷たい無味乾燥な雰囲気が付き物だが、それを大幅に改善して、暖かみのある、まるで個人の家庭のような雰囲気を生み出すのが彼らの狙いなのである。医療機関に見られる職員中心の人間味のない施設に対し、AL は入居者一人一人を思いやる、優しみのある場所なのだ。管理型施設と違い、ここでは家族の介入を渋ったりせず、むしろ奨励する。なぜなら「家庭的な環境は、入居者の自立行為を促進し、継続的な成長を刺激するからである(18)。」次に、「家庭」と「家庭的」ということについて、もっと詳しく調べてみよう。

 入居者に誇りを持たせ、日常生活の場で自己判断で選択を行わせる住居型の施設の方が、明らかに入居者やその家族から好まれている。ケア・プロバイダー達は、人々のこうした好みをよく心得ていて、利用者の増加をはかるために、現在の施設にもっと家庭的な雰囲気を取り入れようと努めている。こうした、まだ改善途上の新しいAL 施設では、どうすれば家庭の味が出せるのか見出そうと、試行錯誤している。問題は、家庭らしい性格を持たせるための客観的な基準が、なかなかまとまらないことである。しかし、何が家庭的な雰囲気作りに役立つかを論じる前に、家庭という漠然とした概念を、もっと探ってみる必要がある。「家庭」及び「家庭的」の概念が分かればALの精神にまで触れることになる。シュワルツは、家庭を「ALの概念的土台」と呼ぶ(19)。

 「家庭」という語は、自分が今住んでいる場所、その場所を共有している人達との親密なつながり、日常生活や活動の基盤といったものを想起させる。一生の間、繰り返し繰り返し訪れる場所が、家庭である。長年慣れ親しんできて、いろいろな思い出が満ち、居心地のいい場所であればこそだ。

 「家庭」という語や概念は、「家屋」とは区別して考えなくてはならない。「家屋」は単なる建物、物理的な形体、景観の一部である。これに対して「家庭」は、言葉でははっきり描写しがたい「体験的現象」のようなものである。シュワルツによれば、「家庭の本質は、家という物理的な特性から離れて、個性、思い出、習慣、文化を背景とした反応や価値観、といった心の領域に入っている(20)。」 パラスマーも同意見だ。「家庭は固有の顔を備えた住みかだ。この微妙な個人化の方法は、建築学の概念では説明しきれない。住みか、というか、家屋は、容器、つまり家庭の殻だ。家庭の実質は内側に隠されている。住みかという外枠の中に、居住者がひそかに家庭を繰り広げているとでもいおうか。家庭は、居住者の個性の表現であり、純粋に当人だけの生活様式なのだ。そのため、家庭の本質は、工芸品というより生活そのものにより近いのである(21)。」 家庭は独自性や、自己、安定感、永続性、安心感、交わりなどの精神を伝えてくれる。家庭のこうした面は、他のどんな建築物やデザイン要素にも見られないものである。とは言っても、家庭環境の物理的な性質(外観、空間的配置、内装、調度)が、こうした、家庭の本質的なものを育むための土壌を供給しているのである。それらは、典型的な管理施設に見られるものと同じではない。それでも、ALに家庭のような雰囲気を生み出そうと苦心している建築家やデザイナーが、見つけだし、画一的な施設に組み込もうとしているのは、こうした家の特質なのである。家庭らしさを生み出す様式を研究したり、AL施設を家庭的に見せるための苦心を高齢者がどう受け止めているかのアンケート調査も、改善に役立っている(22)。

 親しみやすい外観、程良い大きさ、天然素材、部屋割りの配慮、プライバシー、個人の調度品など、ALの施設を家庭らしく見せるために、建築家やデザイナーは、そこに家庭環境の天然の要素を適度に盛り込もうとしている。家庭的な環境を作り出すための、こうした建築やデザイン上の諸要素の効果に関しては、デザイナーとプロバイダー、またデザイナーと入居者では、見方にギャップがあるようだ。例えば、入居者は、家庭的な要素を喜びながらも、結局AL施設もナーシング・ホームとそう違わないと感じる。彼らにとり、「家庭的」な環境は、あくまで「家庭」とは別物なのだ。建築家やデザイナー、プロバイダー達は、ALをナーシング・ホームとの比較で評価する。しかし入居者は、自分達の実際の家庭と比較するのである(23)。

 AL施設を家庭にするためには、もっと微妙な、個人的、心理的な家庭のイメージが感じられなくてはならない。これは不可能ではないとしても、ALの原点が潜在的に家庭と矛盾するものを持っているだけに、これまでよりはるかに難しい作業になる。ブルメットは問題点を次のようにまとめている。(1)入居者はニーズを満たすのに職員に全面依存(2)他人との集団生活から生じるなわばり意識とプライバシーとの妥協(3)職員や介護人側のニーズ(4)入居者の福祉に関する安全基準の引き上げ。つまり、AL施設の生活には、以下のようなことが付き物なのである。(1)自律と自立の劣化(2)プライバシーの侵害、及び私有スペースの減少(3)入居者ではなく施設所有者のニーズに焦点(4)リスクを最小限に抑えるため、自己判断で選択する能力を抑制(24)。AL施設に入所することは、家庭を捨てることだ。たとえ、施設の環境がいくら家庭的でも、言葉では定義しにくいがとにかく特別なものを持った家庭の豊かさから、徐々に離れていくことを意味している。高齢になればなるほど、日常生活行為(ADL)に要する介助量も増えるため、入居者の自立はその分、低下することになる。

 高齢者は、ADLに介助の必要を感じて、AL施設に入所するのだ。しかし、往々にして、身体的能力だけで人の自立度が測られてしまう。あまりにも介助が必要になると、このADL介助が、高齢者をAL施設から引き離して、ナーシング・ホームか病院に移す物差しに使われる。このよくあるシナリオは、何を物語っているのか。AL施設に入居する人もプロバイダーも、この施設を、地域社会での自立した生活と、ナーシング・ホームでの生活との中継点としか受け止めていないことになる。AL施設入居者に聞き取り調査を行うと、彼ら自身、身体機能が著しく衰えた人々と集団生活することは望んでいないことが分かる。これは、将来自身の老化が進んだときは、他の施設に移るのもやむを得ないと、無意識の内に認めていることを示している。プロバイダー側も心身に障害の見られる高齢者の安全問題が、気がかりのようだ。高齢者の長期ケアに関して、加齢と共に衰弱が進み、ますます多くの医療ケアが必要になる人々を、施設から施設へ渡り歩かせていいのだろうかという疑問が生じる。それとも、最後まで同じ場所で、余生を送らせてあげるべきなのか。これは、AL のcontinuum-of-care(継続ケア)モデル対ALのAiPモデルの最新の論争を反映している。ALの継続ケア・モデルは、ヘルスケアと介護サービスを強調する。このモデルの賛同者達は、ALを、地域社会での自立生活からナーシング・ホームでの生活への橋渡し的存在として捉えている。この医療モデルの考えでは、高齢者の健康状態が著しく低下すれば、もはやAL に住み続けるのはふさわしくないということになる。現在のアメリカでは、継続ケア・モデルが、標準になっている。

 AiPの支持者達は、高齢者がAL施設にいつまでも居られるようにすべきだと信じている。長期入居の問題の他にも、AiPモデルに期待できることがある。同じ場所にずっと住み続けることで、生活の質が向上すると、このモデルの支持者達は考えているのだ。家庭からAL施設に移って来たての高齢者は、もちろん、日常生活行為に介助を受ける必要が出てきてやむなく入居したのだろうが、気持ちの上では、まだ、自立心に富んでいる。入居も、彼ら自身の判断で決めた場合が多い。加齢が進み、身体の機能低下も進むにつれ、だんだん依存心が強くなり、自立心が薄れていく。おまけに、施設を移るたびに、医療機関的要素が目立つようになり、その分、高齢者の混乱や物忘れ、寂寥感、無力感が募ることになる(25)。AiPは、高齢者がAL施設に入居したら、他の施設に移らされることなく、そこにずっと居続けられるようにしようという考えである。このような場合、問題になるのは、AL施設に、専門家によるヘルス・ケアやホスピスの緩和ケアを取り入れることが出来るか否かである。しかし、ALの継続ケア・モデルとの折衷案である、継続ケア退職者コミュニティ(continuing care retirement communities, CCRCs)は、アメリカでは高齢者の長期ケアとして人気を集めている。

Assisted Living: 規定について

 ALは長期ケアの新しい形態なので、現行の連邦管理の基準を適用することは出来ない。代わりに各州が参加して、開業認可や弁償規準の問題に取り組みだした。さまざまな州で ALを既にある住宅法と長期ケアシステムの中に組み込む方法を模索する中で、これまでばらばらに行って来たことを整理し、州独自の規定作りへと進展させた。1998年6月時点の情況はこうである。

22州がAL 施設開業認可規定を制定。

11州がAL規定を立案、或いは改訂。

11州がALについて研究中。

22州が医療サービス機関としてのALの経費の払い戻しを計画、或いは既に実施(この中にはAL開設規定を別に設けている州もいない州も含まれる)。

6州がケア付き居住施設としてALの経費を払い戻し(26)。

  AL施設を監督するために、以下の3種の開業認可規定が適用されている。

1.幾つかの州では、ALを、専用の開業認可規定と法規準を備えた新しい個室タイプの居住施設として分類。 2.少数の州では、様々なタイプの介護型居住施設に適用している規定を新しいALのカテゴリーにも併用。 3.他の幾つかの州では、ALの認可施設を、居住施設或いはケア付き居住施設という名目でこれらと同一カテゴリーに分類 (27)。

建築基準やヘルス・ケア規準等に関して、ALの国家的な定義が何もないために、アメリカ国内にさまざまな規準が出来てしまった。一方で、ALのケア精神は、独立運営の高齢者用施設、認知障害者のコミュニティ、居住型ケア・センター、ホスピス、家庭での加齢等、種々の高齢者長期介護の現場で活かされ始めている。このことから分かるように、管理施設がたケアと他の長期ケア・オプションの区別は曖昧だが、それは取りも直さず、ケア・サービスは特定の環境だけに存しているものではないこと、また、身体機能の低下を理由に転居を義務づける規定には解釈の余地があることを意味している。

 規定は、大きく3つの分野に分けることが出来る。ゾーニング(用途指定)規定、建築デザインの規定、それにヘルス・ケア、日常生活のケア、食事サービスを管理することになる開業認可規定である。ゾーニング規定は、長期ケア施設を周辺の地域社会にとけ込ませることを阻んでいる。ナーシング・ホームは普通、管理施設地帯に建設することになっている。つまり、法律でそれぞれの土地の使用目的が規定されているため、そこに商店や住宅は造れないことになる。結果として、心身機能の低下した高齢者の居住施設はコミュニティから切り離され、入居者は地域の人達から隔離されてしまう。高齢者の居住施設と地域社会との関係については、ヨーロッパで奨励されている、ヘルス・センターやリハビリ・サービス、レストラン、創作活動センター等との複合施設に、可能性が示されているようだ。

 建築デザインの規定は、建築物の種類や、使用対象者によって決まる。心身機能の低下した人達が対象の場合は、デザインにもふさわしい配慮がなされなくてはならない。もし現在の消防法の条件を満たしていなければ、入居者は法律により立ち退かされてしまう。建築基準法規は州ごとに異なるし、また同じ州内でも自治体ごとに異なるが、安全面から一番重視されるのは消防法であり、しばしば、生活の質を損なうもとにさえなっている。例えば、暖炉のような住宅設備や住宅装飾要素を、施設に取り入れるには、厳しい制約がある。反対に、極端に広い廊下や大きなドア、頑丈な壁、作りつけの消火設備、各個室のナース・ステーションからの距離等、管理施設的な要素は、建築基準法で義務づけられているのだ。

 ヘルス・ケア、パーソナル・ケア、食事サービスに関わる開業認可規定は、サービスの供給者の能力、及び供給の方法に焦点を置いている。AL施設の住環境維持については、家族のケアへの参加を制限する規定や、入居者に日常生活行為(ADL)を自主的にさせないような規定が、何よりのネックになっている。こうした規定は入居者の自律心を低下させ、自分で選択する権利を奪い、自尊心を傷つけることになる。高齢者に対する虐待が、ナーシング・ホームで深刻な問題になっている。しかし、集団生活の場で反応を狭め、期待できる治療法に水を差すような、こうした法律や規定を導入することが、この問題の最良の解決策になるとは思えない。スウェーデン、デンマークのようなスカンディナヴィア諸国が、上記の問題にどのように対処しているかを見ると、改善を考える際の参考になる。ナーシング・ホームの規定は厳格に守り、一律に適用する必要がある。規定を各入居者に会わせて調整する余地はないのである。それに、介護サービスのタイプを変更すると、建築基準法を更に厳しくされることにもなりかねない。自立心に富んだ、しかし普通ならナーシング・ホームに行くしかない心身機能の低下した高齢者がますます増加している今、この先ALがナーシング・ホームに取って代わるとすれば、典型的な小規模のAL施設は、今後、もっと規模の大きいナーシング・ホームや病院に適用されているより厳しい規則を満たしていかなければならなくなるだろう。言いかえれば、ALの住宅的な性格は、管理施設化が進む中で失われてしまうことになるのだ。これを防ぐために、行政やヘルス・ケア担当者達は、ナーシング・ホームとALの違いをきちんと把握する必要がある。

 ALの規定に対する見方は、大きく二つに分かれる。多くの人は、ALの規定は、消費者保護の上で必要だと考えている。これは、ヘルス・ケアや安全の基準であると共に消費者保護の法規でもあるのだと。AL施設の入居者の多くも、恐らく同意見だろう。しかし、他方で、上から押しつけられた規定は、ALの創造性や革新的な精神を損ない、性格をゆがめてしまうと危惧している人達もいる。規定が、実験的な試みや進歩にブレーキをかけると案じているのだ。シネリは「常識と消費者の声以外頼るものがない無認可状況」の中で建てられたHeritage House (ヘリテージ・ハウス)という施設を成功例として挙げ、もし規定に縛られ過ぎていたら、この施設を現在の形に建てることは出来なかっただろうと述べる(28)。

 

高齢者居住スタイルの理想像:「定住型生涯ケア

Lifetime care in one location (同一場所での生涯ケア; つまり定住型生涯ケア)は、AiPの考えに沿った ALのケア精神の延長と見ることが出来る。 もしナーシング・ホームの将来の形態がALなら、AL の将来像は「同一場所での生涯ケア」、つまりAiPになるかもしれない。つまり、「同一場所での生涯ケア」は、継続ケア・モデルとAiP・モデルの2種のALモデルを合併したものの進んだ形として、見られるようになるのではないか。 同一場所での生涯ケアが効果的に実施されるためには、主要な三領域を発展させなければならない。身辺の介助や治療が受けられる環境作り、ヘルス・ケアのアクセス、社会的支援の三つである。社会福祉政策の実施に当たっては、予算面での保証を得ることが必須である。それほど悲観的にならなくてもよいかもしれない。第一に、ヨーロッパには長年の素晴らしい実績があるし(29)、第二に、アメリカが福祉国家になることはないだろうが、そのアメリカに於いてさえ、成功例が出てきている。例えば、ペンシルバニア州のブルー・ベルを本拠としたFriends Life Care at Home(フレンド家庭介護協会)は、個性的な非営利のクエーカー教組織で、家庭で老後を送ろうとする人々に、家庭介護やサービスを供給している(30)。第三に、高齢者の間で、そのようなケアを望む声がますます高まりつつある。革新的なHMO(Health Maintenance Organization|保健維持機構)が、訪問介護や医療支援を行っている(31)。

 自然及び人工の環境が、高齢者を含む全ての人の健康に及ぼす影響は大きい。自然の持つ癒しの力は、良く知られている(32)。住居を改良することで、多くの長期ケアサービスを減少、或いは廃止出来る場合があることも知られている(33)。税制上の優遇措置や貸付金の金利割引措置等で、ユニバーサル・デザインの実施を促進することが出来る。住居のデザインに介入することで使いやすさが増せば、高齢者は、職員の介入なしに自分で身の回りのことが出来るようになる。スエーデンで確証されたことだが、デザインの介入は職員の介入より、また、家庭での介護は介護施設に入るより、経費が安くて済む(34)。このデザインの介入とは、どのように行われるのだろうか。例えば高齢者用のMiami Jewish Home and Hospital (マイアミ・ジュウイッシュ・ホーム・アンド・ホスピタル)に付属するスタイン老人学研究所(SGI)には、介護テクノロジーのデモンストレーションとしてバスルーム付きの一間のアパートが実物と同じサイズで作られている。SGIには、自宅の使いやすさを増すための改築プログラムも用意されている。インターネットにアクセス可能な人のためには、AARP(全米退職者協会)のホーム・ページでも情報が得られる。レイブロックが記しているように、「ユニバーサル・デザインの導入で、長期ケア・サービスを提供するときに必要な優しさが生まれつつある(35)。」

「ヘルス・ケアは今やポータブルになった(36)。」介護サービス員が家庭を訪問してADLやIADLを助ける。食事宅配サービスは、広く知られている成功例だ。人々が自らの福祉に責任を持つ今、保健と福祉が重要視され出した。CCRC で見られるように、栄養、運動、安全、保安等、予防策に何より気を配る。現在、ALで受けられるような介護は、

At Home Assisted Living by Sunrise (サンライズ「在宅」AL)のようなサービス組織により、家庭でも受けられるようになった。訪問看護婦により、家庭で専門家の介護を受けることも可能である。どうして、このようなことが出来だしたのか。老人学及び老人医学の分野の知識が浸透したことと、医学の進歩に負うところが多い。更に、新しいテクノロジーも、大いに貢献している。例えば、在宅高齢者を遠隔地からモニター・チェックする技術がいかに役立っているか、多くの報告書が証明している(37)。

 社会支援グループ、休養ケア、芸術及び芸術療法、隣人同士の助け合い、医療及び福祉サービス--こうしたもの全てが、手助けを必要としている高齢者の力になっている。もし家族がケアに関わっているとしたら、そうした人々もこれらのサービスに支えられつつ、ケアを与えながら自分達の生活も続けていくことが出来る。家族や友人の果たす役割は、非常に大きい。高齢者にとり、孤独感は何より心身に応えるものなのだ。先に記したように、痴呆を早める原因ともなり得る。高齢者ケアは単なる医療行為以上のものであるという認識から、社会健康維持機構が作られ、通常のHMOを補助し、高齢者のニーズによりよく応えようとしている。

ナーシング・ホームは、少なくとも従来の医療施設タイプのものは、もはや時代遅れになって来ている。ナーシング・ホームは、同一場所での生涯ケアの場とは言えない。そうした場は、家庭(家族や友人がいて、さまざまな思い出と結び付いている場)であり、そこには、介護の手と癒しがあり、また必要に応じて充分な日常生活での世話やヘルス・ケアが受けられることが大切である。こうして、私達は、高齢者の住居オプションの第一番目に戻ることになる。もう一つの重要なポイントも、強調されなければならない。同一場所で加齢することに関して、最大のサポートは、まず高齢者自身が、最も重要なのは「生活の質」だと認識するところから得られる。自立及び選択する能力を保つには、その分多少のリスクは覚悟しなくてはならない。今日の高齢者は、このことを良く心得ていて、自分達の生活に意義を与えてくれるものとして受け入れている。バシュラールの言葉を言い換えると、家庭とは、かつてあったもの、今あるもの、この先待っているものを夢見る場所なのだ(38)。

付記:本研究発表は、科学研究費補助金 (課題番号12572006)

の補助を受けている。

 

 

:

1 Ellen J. Langer, Mindfulness (Cambridge, Mass: Perseus Books, 1989) “Loss of Control,” pp. 50-53; “Learned Helplessness,” p.53-54.

2European information from Cynthia Leibrock, Design Details for Health: Making the most of Interior Design’s Healing Potential (New York: John Wiley & Sons, 2000), pp. 77; 7-9.

3Joseph P. Shapiro, “Growing Old in a Good Home,” US News & World Report, 21 May 2001.

4House of Representatives Select Committee on Aging, Housing for the Frail Elderly: Hearing, May 4 and July 26, 1989 (Washington, D.C.: GPO, 1990), SD cat. No. Y4Ag 4/2:H 81/26. Cited Leibrock, Design Details, p. 2.

5ibid.

6Witold Rybcznski, Home: A Short History of an Idea (New York: Penguin Books, 1986).

7Leon A. Pastalan and Janice E. Barnes, “Personal Rituals: Identity, Attachment to Place, and Community Solidarity,” p.83; in Benyamin Schwarz and Ruth Brent, eds., Aging, Autonomy, and Architecture: Advances in Assisted Living (Baltimore and London: The John Hopkins University Press, 1999).

8“Assisted Living in the United States” on the AARP Research Center web site; citing The Assisted Living Sourcebook, 1998. Center for Assisted Living. American Home Health Care Association (AHCA),1998; (url: research.aaarp.org/il/fs62r_assisted.html).

9“Assisted Living in the United States,” AARP Research Center web site.

10 Victor Regnier, "The Definition and Evolution of Assisted Living with a Changing System of Long-term Care," p, 3-4; in Schwarz and Brent.

11 Victor Regnier, Jennifer Hamilton, and Suzie Yatabe,, Assisted Living for the Aged and Frail: Innovations in Design,Management, and Financing (New York: Columbia University Press, 1995), pp. 2-3

12 Victor Regnier, "The Definition and Evolution of Assisted Living with a Changing System of Long-term Care," p, 3-4; in Schwarz and Brent.

13AARP Research Center web site, “Assisted Living in the United States”

14 US News and World Report , 21 May 2001, "A Better Way to Grow Old."

15 AARP Research Center web site, “Assisted Living in the United States”

16US News & World Report, 21 May 2001. Joseph P. Shapiro, “The Assisted-living Dilemma: Residents and regulators strain to balance freedom with protection,” pp. 64-66

17 Ruth Brent, "Gerontopia: A Place to Grow Old and Die;" in Schwarz and Brent, Aging, Autonomy, and Architecture, pp.63-80.

18Robinson et all, 1984:5; (Robinson, J., T, Thompson, P. Emmons, and M. Graff. Towards an Architectural Definition of Normalization (St. Paul: University of Minnesota, 1984); cited by Schwarz, "Assisted Living: An Evolving Place Type," p. 197; in Schwarz and Brent.

19 Schwarz, "Home: The Conceptual Foundation of Assisted Living," "Assisted Living: An Evolving Place Type," pp. 197-199; in Schwarz & Brent.

20 Schwarz, "Assisted Living: An Evolving Place Type," p. 198.

21 J. Pallasmaa, "Identity, intimacy, and domicile: Notes on the Phenomenology of Home," p. 132. In D. Benjamin, ed., The Home: Words, Interpretations, Meanings, and Environment. (Aldershot, U.K.: Avebury, 1995); cited by Schwarz, p. 198; in Schwarz & Brent.

22 Alexander, C., et al, Pattern Language, New York: Oxford University Press, 1977; John P. Marsden and Rachel Kaplan, "Communicating Homeyness from the Outside: Elderly People's Perceptions of Assisted Living," pp. 207-228; in Schwarz & Brent.

23See Jacquelyn Frank, "I Live Here but It is not My Home: Residents' Experiences in Assisted Living," pp. 166-182, in Schwarz and Brent.

24After W. Brummett, The Essence of Home: Design Solutions for Assisted Living Housing. (New York: Van Nostrand Reihold, 1997); cited by Schwarz, "Assisted Living: An Evolving Place Type,” p. 198; Schwarz & Brent.

25On the concept of liminality, see Jacquelyn Frank, "I Live Here but It is not My Home," p. 180; in Schwarz and Brent.

26According to the AARP Research Center report: “Assisted Living in the United States;” URL: research.aarp.org/il/fs62r_assisted.html.

27ibid. 

28 Daniel J. Cinelli, “Place Makers a Difference: A Case Study in Assisted Living.” In Schwarz and Brent,, pp. 262-277.

29See Leibrock, Design Details, pp. 7-9.

30US News & World Report, 21 May 2001, article, p. 60. For Friends Life Care at Home; URL:www.friendslifecareathome.org/.

31See Joseph P. Shapiro, “Growing Old in a Good Home,” U.S.News & World Report, 21 May 2001.

32Robert S. Ulrich, “View from a Window May Influence Recovery from Surgery,” Science 224 (1984): 420-421; cited Langer, Mindfulness, pp. 178-179 & note 11

33R. Stuyk, “Current and Emerging Issues in Housing Envvironments for the Elderly,” in America’s Aging: the Social and Built Environment in an Older Society, Committee on an Aging Society (Washington, D.C.; National Academy Press, 1988); cited by Leibrock, Design Details, p. 6 & note 25.

34 Leibrock, Design Details, p. 47, pp. 7-8.

35 Leibrock, Design Details, p. 6.

36Leibrock, Design Details, p.11.

37 US News & World Report, p. 60.

38Gaston Bachelard, The Poetics of Space (Boston: Beacon Press, 1994), p. 6; first published in French under title La poetique de l’espace, Presses Universitaires de France, 1958.